先週の相互関税発表を受け、ドルが主要通貨に対して急落したことで、ウォール街は不意を突かれた。市場には保護主義のせいで世界金融危機以降の米国の経済的優位が終焉(しゅうえん)を迎えるのではないかとの懸念が広がった。
ジャンク債市場での投げ売りは、そうしたカナリアの一つである。新型コロナウイルス流行が起きた2020年以来の大きさだった。ICE・BofAのインデックスで見ると、高リスクの社債を購入する際に投資家が求めるプレミアム(米国債利回りと比べた上乗せ幅)は、ドナルド・トランプ米大統領の関税引き上げ攻勢を受け、先週末の遅い段階で1ポイント拡大し4.5ポイントに達した。